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三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
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でかい声を出せ!

君等のあまり興味の無いプロ野球ではその年に入った新人に対して新人選手研修会というのが行われる。
これはプロ野球選手としての心得をレクチャーして自覚を促すというものだ。
そんな模様をスポーツニュースで放送していたんだが、ああ、やっぱりなという部分があったんだ。
それは西武に入った雄星が声が小さいと指摘され、あ、い、う、え、お、と言わされて口の開け方まで注意されていた箇所だ。
卒業式までは一応高校生という事になるがそれでももう18歳だ。
18歳でそんな子供みたいな事で注意されるとは情けない限りだがこれが一般的な18歳の男の子の姿なのは良く分かる。
実は俺にもそんな時期があった。
彼より若い16の時ではあったが。
家を飛び出して繋ぎのバイトをしていた俺は食う為に小さな洋食屋に就職したんだ。
一文無しの俺にとって募集の張り紙の片隅にあった食事付きという文字が光り輝いていたからだ。
だが、厨房に入る事になったものの俺の仕事が無い。
というか実際はやるべき事が山の様に有ったんだが一向に俺には仕事が回って来ない。
周りの先輩達は忙しく動き回っているのに俺は只突っ立っているだけだ。
その内、邪魔だから退いてろなんて罵声を浴びる事になるんだが俺にやる気が無いわけではない。
なのに一向にそのやる気は通じていないようだ。
この状況を打破しなければお払い箱になるのは目に見えている。
もうスーパーで万引きして食い繋ぐのは懲り懲りなのに。
そんな時に一人の若い先輩がヒントをくれたんだ。
お前、とにかくでかい声出してみろ。
何か言われたら思いっきりでかい声でハイ!って言ってみろ。
次の日から俺は馬鹿みたいにでかい声を出しまくったんだがそこから周りの空気は一変したんだ。
今迄邪魔者扱いしていた先輩達がやっと気が付いたのかという顔で色々指導してくれるようになったんだ。
俺にとって以前と違うのは声を大きくしただけなのにもやもやしていた空気が一気に晴れ上がったんだ。
そして、これでまた賄いにあり付けたばかりか飲みにも連れて行って貰えるようになった。
金が無くて銭湯に月に1回しか行けなかった俺を気遣って風呂も貸してくれるようになった。
とにかく当時付き合っていた彼女の兄さんから乞食みたいな奴と罵られていた俺にとっては見返す事の出来る武器を手にした心境だ。
この時俺は初めて働くとはどういう事なのか、自分の力で生きていく術とはどういうものなのかが少し分かったような気がしたものだ。
あの先輩の一言が俺の人生を大きく変えたんだ。
いくら感謝しても足りないくらい今でも有り難く思っている。
だから若い子達にはでかい声を出せと口を酸っぱくして教え続けなければならないと思っている。
それがあの先輩に対する俺の恩返しでもあると思うからだ。
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