次から次に難題が持ち上がる。
まるで無防備状態でパンチを食らいまくるサンドバックのようだ。
大震災発生以来、全くもってそんな状況が続いている。
震災の影響が色々な所に出ているという事だ。
どうにもこうにも落ち着かない。
そう思っているのは、勿論俺だけじゃないのは充分承知だ。
この深い霧の向こうに明るい何かがある事を信じて今を精一杯生きよう。
そんな中で或る教授が30年以内に70%以上と言われていた首都圏直下型地震の起こる確率が更に上がったと語っていた。
そんな事は、東京に住む人なら誰でも思ってるよ。
みんなが不安な思いをしている時にわざわざテレビで言う事じゃないだろ?
それが明日なのか30年後か分からない程度のレベルで何言ってやがる。
色々研究してんならもうちょっと前向きな発言出来るだろうが。
俺が子供の頃には、癌になったら100%死ぬと言われていた。
その数十年後の今では、癌は不治の病とは言われなくなった。
世の中の全ての現象に不変は、存在しない。
このままの状況が永遠に続くという事は、どんなものに当て嵌めても有り得ないという事だ。
自然の力は桁外れだが、人間は馬鹿じゃない。
少しづつかもしれないが、対応能力は進歩する筈だ。
みんなは、蝉がどんな一生を辿るか知っているか?
蝉がミンミン、ジージー鳴いて空を舞っていられるのは、たったの7日間だ。
蝉の気持ちになった事はないが、奴らにとって来週は存在しないってわけだ。
でも、そんな成虫になる為には、7年の年月を要するんだ。
7年だぞ。
思ってたより全然長いだろ?
小学校の6年間より長いって、当たり前だが。
それできっと7年間ずっと夢見てるんだよ。
大人になったら思い切りミンミンしてやろう、ブンブン飛んでやろうって。
夢のような7日間の為に2555日もじっと我慢してんだよ。
なかなかロマンチックな話でもあるだろう?
もし、途中でちょっとでも気持ちが途切れたら明るい世界に飛び出す事は出来ない。
きっと信じているんだよ。
自分達の生命力の強さを。
蝉もなかなか大した根性だが、負けるわけにはいかないってもんだ。
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