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神の国での騒乱

100人以上の死傷者を出したタイの騒乱も何とか収束したようだ。
普段は物凄く大人しいタイの人達がここまで暴れるというのはよっぽど納得出来ない理由があったんだと思う。
対立は現政権側と元政権を握っていたタクシン派との間で起こったわけだがその元首相のタクシンという人はどんな人なのかは日本にはあまり知らされていない。
知らされていないというよりもあまり関心を持たれていなかったというのが正しいのかもしれないが。
タクシンという人は元々は警察官僚だ。
だが、タイという国はそれだけでは食えなかったりするのでたとえ公務員であろうと副業も認められていたりするんだ。
色々な企業を立ち上げては潰しての繰り返しの中から彼は携帯電話会社で大儲けし、タイで一番の大富豪にまで上り詰めた。
どれ位の大富豪かというとその後プレミヤリーグ名門チームのオーナーにまでなったくらいの凄さだ。
その勢いで政界進出した彼は思い切った政策と莫大な資金を元にとうとう首相の座も射止める事となる。
だが、何処の国でも有り勝ちなように彼の周囲には常に不正献金だの脱税だのの疑惑が付き纏う。
そして、軍事クーデターにより失脚した彼は国外に逃亡する事となる。
ここで一巻の終わりというのが普通なんだが彼は執拗だった。
自分が操れる人間を首相にする為に裏で手引きするわけだ。
都合のいい様に首だけ挿げ替えて実質タクシンの院政が敷かれたって事だ。
色々とダーティーなイメージの強いタクシンだが彼が今でも大勢の支持者に支えられている事実には当然訳がある。
タクシンは一部地域偏重の政治を行っていたんだ。
だからその地域の人達からするとタクシンは今でも有り難いお方なんだ。
そして、元々彼は中国系タイ人なので国内に非常に多い中国系の人達は彼を支持する傾向が強いという事だ。
俺の元彼女はタイ人だったのでそこら辺の話はよく聞かされていたんだ。
説明の半分はタイ語だったから間違っている部分は多少あるかもしれないが大体の所は正しいと思うよ。
まぁ、どっちにしてもどの国も結局似たようなもんだよな。
権力には金が付き物でそこには必ず不正が耐えない。
そして、混乱させられたり被害を受けるのはいつも一般市民だ。
神の国と言われるタイでさえこの有様なんだからな。
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