ついこの間、映画の20世紀少年最終章を観た。
最近の漫画に詳しい人は当然原作の方を読んでいるんだろうが俺は去年の映画公開の時に初めてこのタイトルを知ったので映画版の終わり方が原作と違うらしくても一向に気にならないのは当然だ。
なので俺にとっての20世紀少年は映画版のみという事になる。
その映画の中で物凄く印象的な部分が一ヶ所あったんだ。
それはトモダチと言われる悪のヒーローが自分を指して僕が20世紀少年だというくだりなんだ。
要するに人間関係の歪みの中でバランス感覚を失ってしまった自分が20世紀の産物だと言いたかったんだと思うんだ。
少なくとも俺はそう受け取った。
これは非常にリアルで意味深な言葉だと思う。
そして今日まさに20世紀少年そのままのような印象を受けるHというバンドが出演した。
うちに出るようになって未だ1年と少しぐらいではあるが俺は初出演の時から何故か彼等が気になって仕方が無かった。
演奏はお世辞にも上手いとは言えないかもしれない。
その上全員元気が無いというか覇気が無いというのが俺の評価でもあった。
どうしてこういう青年達がステージに上がっているのかその真意がまるで見えない。
ロックバンドの持つ何か主張しようとか伝えようとかそういう積極的な姿勢とは真逆なポジションが彼等のようなタイプの人達の定位置だと思っていたからだ。
そんな中、MCでボソッと洩らした一言がしっかり俺の心に届いたんだ。
僕達全員引き篭もりなんです。
ヤバい、リアル過ぎる。
僕達全員20世紀少年なんですって言ってるのと同じじゃないか。
それから2、3ヶ月に1回くらいのペースでライブを観させて貰う事になるのだが最初に感じた何故彼等はステージに上がるのかという疑問は徐々に解明される事になるんだ。
あれだけ内側に向いていた姿勢が変わり始めたのは半年を過ぎた辺りからだと思う。
そして今では完全にパンクバンドだ。
引き篭もりならではの主張をする21世紀型パンクバンドの出現だ。
トモダチは破壊と殺人と洗脳でトラウマからの脱出を企てた。
そして殺される直前に脱出に成功した。
Hというバンドはパンクバンドになる事でトラウマから略脱出する事に成功した。
さて、次はどんな進化を遂げるのだろうか?
想像出来ないだけにわくわくする。
間違いなく言える事は彼等が俺の全く知らない次元からやって来た21世紀少年だという事だけだ。
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