俺は仕事柄、帰宅時間が毎日早朝になる。
早朝というのは昼間の光景とは違うものが見える時刻な訳で当然行き交う人の数も極端に少なかったりする。
そんな中、週末になると明らかに平日とは違う光景が目に付くものだ。
それは何かというと酔っ払いの数ではない。
沢山のジョギングをしているおじさん、おばさん達だ。
俺の家からバイクで5分位の所に比較的大きな公園が有るのだが週末の早朝ともなるとそこを目指して走ってくる人達が溢れている。
溢れているという表現はちょっと大袈裟かもしれないが百人には満たないだろうがそれに近い数十人は確実に居たりする。
勿論、皆、健康管理の為なんだろうが俺にはどうしても悲しい光景にしか見えない。
若い内は体を作っている全ての部分も若いからマイナスよりプラス面の方が多いのは誰でも分かる。
だが40代、50代になっても同じ様な結果が出るとは到底思えないんだ。
っていうかマイナスの方が絶対多いような気がする。
俺も30代迄は殆ど毎日体を鍛えていて腕立て200回、腹筋200回なんて今では信じられない様な事をしていたものだがこれを今やったらあちこち痛くなるだけで寿命を縮めるだけの様な気がする。
人間誰しも死に向かって生きている訳だが生きている内には絶対に体験出来ないこの死という未知の世界に対して無意識に恐怖を感じている筈だ。
スポーツジムに通ったりしている人達は見た目を良くして異性にもてたいとかかっこよくなって自信を付けたいとか優越感に浸りたいとかそんな解りやすい事が目的の人が大半だと思う。
それは或る意味とても健全で悪い事ではない。
だが、早朝にジョギングしているおじさん、おばさん達からはそんな健全な空気はまるで感じられない。
感じるのは悲愴感だけだ。
病気の中には適度な運動が治療に役立つものもあるのでそんな目的の人達も当然いるだろう。
だが、あの早朝の公園にそんな人はせいぜい1割位なんじゃないかな。
殆どは病気じゃないけど1秒でも長く生きたいからとそれだけの理由の様な気がする。
それを否定する訳じゃないがもうちょっと明るく出来ないのかなと思っちゃうんだ。
自分はあと何年生きれるかなんて事を考えて毎日暮らしていたらその時点で人生を履き違えていると思うんだ。
自分はどうせ死ぬんだから生きてる内に少しでも悔いの無い生き方をしよう。
やっぱり大切なのはこっちだろう?
あのおじさん、おばさん達に直接何で走ってるんですかなんて訊いた訳じゃあないからあくまで予想の範囲だけどマイナスのオーラが出まくっているのは確かだ。
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