毎日ライブ後に色んなバンドマンと話をしているとあれっ?前に違うバンドで出ていたよねなんて事がよくあるんだ。
20年店に居るとこれで5バンド目だねなんて事もそれほど珍しい事ではない。
勿論、20年間メンバーも変わらず活動しているバンドもあるがそれはかなり稀な話ではある。
そんな事を考えているとバンドの寿命って平均するとどの位なんだろうなんて思ったりするんだ。
おそらく3年位というのが近い線じゃないかと思う。
皆が想像してたのよりかなり短いんじゃないか?
実際、うちに出ているバンドで10年以上というのは珍しくは無い。
だけど1回のライブで終わるバンドもいるしデモ音源持って来てかっこよかったから出演依頼したらやっぱり解散する事にしましたなんて超短命な幻のようなバンドさえいるからな。
最近偶々だが過去の出演バンドリストを見ていてここは解散したなとかここはメンバーが変わって違うバンドになったとか色々書き込んでいたんだがそれを見てもやっぱり平均寿命3年っていうのは間違っていないと思う。
バンドマンって個性の強い人が多いからな。
それに自信があればあるほどプライドも高かったりするだろ?
当然この二つは音楽活動を続けて行くうえで必要なものなんだけど共同作業となるとやはりぶつかる事も多いと思うんだ。
じゃあ、長く続いているバンドはどうしているのかというと大抵バランスを取るのが上手い奴が一人居るんだ。
扇の要みたいなもんだな。
メンバーの中に居なければそこら辺の上手いマネージャーが必ず付いていたりするんだ。
バンドっていうのは或る意味共同体だ。
言い換えればコミュニティー、小さな社会でもある。
社会だったら皆が平均的っていうのが本当は平和だし理想なのかもしれない。
だけどそんな平均的な人がやっても面白くも何とも無いのがバンドの世界だ。
突出したものがあっちこっちに飛び出している人がやってるから面白いんだよ。
だけどその飛び出したものを生かしながら前に進むというのはバランスを保つのが難しい。
だから同じメンバーで長く続くバンドが少ないんだよ。
でも、ここまでの話は実はどうでもいい事でもある。
長くやろうが短かろうがかっこよくて気持ちよけりゃいいんだよ。
長く同じメンバーでやってるバンドは自分以外のメンバーをこいつ凄ぇって思ってる筈だ。
そういうメンバーに巡り合えたって事だ。
U2のボノはバンドを長く続けてこられた理由はと訊かれて「U2が仕事だったらとっくに解散していたと思う。俺にとってU2は趣味だから。」と答えている。
彼の言う趣味っていうのはおそらく日本人の言う趣味とはニュアンスが少し違うとは思うが要するに好きな事だから続けてこられたっていう話だ。
趣味と言ってしまうとちょっと不確定でいい加減なように聞こえる。
だけど一番楽しくて幸せな行動でもあるわけだ。
強引な結論付けをすれば幸せな行動の為なら例え平均寿命3年の不確かなものでも十分価値はあるって事だ。
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