今日で7年間頑張ってくれて来た一人のスタッフが卒業した。
そう、まさに退職ではなく卒業だ。
この子は本当に店を愛してくれた。
自分のやりたい事を犠牲にしても店に尽くしてきてくれた事を俺は忘れない。
俺にとっても自分の娘のような存在だ。
辞めると聞いた時は自分の耳を疑ったものだ。
そんな筈はないと信じこもうとしている自分がそこにいたのを憶えている。
だが、彼女の可能性を押さえ込む権利は俺には無い。
出会いがあれば別れは必ず訪れるものだと分かってはいるが、いざ直面するとなると気持ちは複雑だ。
この子には俺なりに色々な事を教えた積りだがそれを今後生かしてくれるだろうか?
いや、そんなふうに考えるのは俺のおごりだな。
彼女は自分の力で大人になっていったんだもんな。
初めて会った時の笑顔を想い出す。
その誰にでも見せる笑顔が今も健在なのがこの子の最大の長所だ。
7年か。
小学校より1年長いじゃないか。
そう考えると途方も無く長く感じるが彼女もあと何十年か生きればそれはほんの一瞬の過去の出来事と思える日が必ずやって来る。
うちの店での7年間は彼女の人生において小さな踏み台でいいんだ。
小さいって言っても中身のしっかり詰まった踏み台だからきっと大きくジャンプ出来る筈だ。
とにかく彼女の居た7年間は終わった。
未練垂らしい事は言いたくないし言って欲しくも無い。
ただ一言、有難う。
よく頑張ったよ。
遠い所に行くと聞いているが幸せになってくれるといいなぁ。
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