一応、どんな物か観てみたいと思っていたアバターのDVDを買ってみた。
どうせ金ばっかりかけた破壊的な作品と高を括っていたんだが予想は大きく覆された。
ストーリーはベタなSF物ではある。
確かに殺し合いの部分もあるのだがそこには慈悲の心も含まれている所が並の大作映画と大きく違う部分かもしれない。
人類が未知の星へ行きアバターという先住民の外見を持つ分身を使って自分達の都合の良い様に欲しい物を奪っていくという展開でストーリーは進んでいくわけなんだがこれはやはりどこかの国のやり方に似ている。
上映禁止になった中国然りアメリカも元々は同じ様なやり方で国を作ったようなもんだろう?
これは或る意味、人類に反省を促す映画でもあると思う。
偉大な自然に対して人間が如何に愚かな行動を取ってきたのかという恥部を曝け出した様な作品だ。
この映画を観ていて俺は或る人を想い出した。
それは手塚治虫だ。
誰だそれ?なんて言う人は居ないよな?
日本のアニメの基盤を作った人だもんな。
あの人の全ての作品のテーマは愛だ。
どんな邪悪なものも愛の前では無力だという事を延々と訴え続けた人だと思う。
俺達が生れるより途方も無い昔から人類は殺戮の歴史を築いてきた。
それは今も何ら変わりが無い。
幾ら科学は進化してもそういう心の部分は何ら成長していない。
これは侵略行為というスケールの話だけではなく個人々の心の持ち方という部分でも言える事だ。
俺もその中の一員には変わりが無いっていうのは恥ずかしい限りだ。
人類は今迄一体何をしてきたんだろう?
自分達の事しか考えて来なかったんじゃないか?
環境保護とか何とか言ったって結局それも自分達の都合を最優先した後での事だろう?
俺は人生を悟るというのは風の様に生きる事だと思っている。
要するにあらゆる意味で自然体という事だ。
簡単な様でとても難しい。
だけど実は物凄く簡単な筈なんだ。
そんな簡単な事が出来ないのは煩悩があるからだ。
人間は煩悩から逃れる事は出来ない。
だから残念ながら同じ歴史はこれからも繰り返す事と思う。
そして、いつの日かこの映画のように他の星に行ってまで同じ事をするんだろうか。
人間が自然を支配していると思っちゃいけない。
自然が人間を生かしているんだという事に気が付く時は来るのだろうか。
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