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疑惑の銃弾

なんと日曜の昼から丸1日24時間爆睡してしまった。誰か側にいたら死んだと思われたかも知れない程の豪快な眠りから覚め朦朧とした頭で今この日記を書いている。しかし一昨日の三浦和義の自殺には驚かされた。勿論サッカーのカズとは別人のこの人物に関して若い皆はあまり良く知らないのではと思うので簡単に説明しておく。事件は27年前に遡るのだが彼と当時の彼の奥さんがロサンゼルスで何者かに銃撃され奥さんは頭を彼も足を撃たれ重傷の身で帰国するところからこのストーリーは始まる。1年後に意識が戻らぬまま奥さんが亡くなり彼は悲劇の人としてカメラの向こう側で奥さんに対する愛を語り涙を流しながら犯人が許せないと訴えた。そんな彼の悲しい愛の物語に日本中がもらい泣きさせられたものだ。しかし2年後に週刊文春の連載記事として告発された内容が事態を急転させる事となる。事件は三浦本人による自作自演で三浦が保険金詐欺を目論み或る人物に依頼した殺人事件だと誌面で訴えたのだ。彼はテレビ出演は疎か映画にも出演し、商売も成功させ若い奥さんと再婚する等人生を謳歌するその最中の出来事であった。そして日米共同捜査が始まり彼は逮捕される事となる。裁判は長期化し9年後に無期懲役が決定するが彼はこの判決を不服とし上告する訳だがなんとその5年後には無罪を勝ち取ってしまうのだ。事件から22年を費やした途方もなく長い結末だったと思いきやその5年後の今年2月にサイパンで再逮捕される。ロス市警が絶対的な証拠を掴んだと拘束を依頼して来たのだ。彼等は27年間諦めてはいなかったのだ。そして半年以上揉めた末にロスに移送された当日に自殺という誰もが予想出来なかった終焉を迎える事となったのだ。真実は闇の中ではあるが彼のこの自殺という行為は日本で最終的な判決が出ているにも関わらず強引に逮捕に踏み切ったアメリカへの抗議の主張なのか、将又過去の自分の罪を認め自らを罰する為だったのか。俺の推測では後者になる。もし彼がやっていないのなら20年以上正義を貫き通して勝ち取った物をアメリカで簡単に手放すとは考えにくいし死ぬまで貫き通すのが本当の正義感だと思うからだ。人間には良心という物が有る。これはどんな悪人にも有る物だ。年老いた彼はやっと気が付いたのではないだろうか?自分の人生とは何だったのだろうかと。犯した罪を自分の死をもって清算し、ちゃらの状態であの世に行きたいと願ったのではないか。生前彼はタレントや映画スターでも無いにも関わらず時代の寵児的扱われ方をしてマスコミは勿論の事、日本中の注目の的になった。そしてそんな状況を楽しむかの様に派手な振る舞いをし、満足気な表情を浮かべて人生を語っていた。俺はそんな彼を見て良心の無い本当の悪人はいる筈が無いと思っていた自分の考えを勘繰ったりもしたのだが今回の結末を知り人間の本性はやはり良心に行き着くと痛感させられた。あくまで憶測ではあるが彼もそう思って貰えれば本望だろう。
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