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三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
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愛の結晶

友人のお父さんが亡くなった。
奇しくも入院していた病院は俺の親父が最期に息を引き取った場所と同じであった。
友人もあの時の俺と同じ思いをしているのかと思うと言葉に詰まるものがある。
そして、ああ、今はお盆じゃないかと遅れ馳せながら気が付いた次第だ。
毎年そうなんだ。
お盆の時期って必ず親父の事を想い出す切欠みたいな出来事が起こるんだ。
あの世からお盆の時ぐらい親を想い出せって言っているのだろうか?
亡くしてみて初めて分かる親の有り難さとはよく言ったものだ。
生きている時だって一応大事にしていた積りなんだがやっぱり心の何処かでいつでも会えるからいいやなんて蔑ろにしていた部分が無かったとは言えないと思う。
でも、感謝の気持ちを忘れていたというのとは訳が違う。
俺が思う最大の親孝行っていうのは息子である自分が毎日精一杯生きる事だと思っている。
だからその為に親に会えない日が何年も続いたとしてもそれは間違っているとは今も思っていない。
だが、実際にそんな生き方をしてきた息子の親の立場になるとどうなんだろうか?
なにしろ長い時は4年も音信不通で会いに行かなかったんだもんな。
口では強がったとしても腹の中じゃあ無茶苦茶心配するよな、普通。
もう、危篤状態であと数時間かもしれないという時も俺は駆けつけなかった。
丁度その日が自分が主催するイベントツアーの初日だったからだ。
男は強く生きなきゃいけない、責任は最後まで全うしなければいけないという親父が背中で教えてくれた事を今、実践する事が俺の最大の愛情表現だと思ったんだ。
そして、これが俺流の最後の親孝行でもあった。
今、これを読んでいる君は親を大切に思っているか?
面倒臭いとかうざいとか思ってんじゃないのか?
もし、そうだとしたら君が産まれた時の両親の顔を想像してみろ。
きっと涙を流して喜んだ筈だ。
その涙は愛の結晶で出来ている事を一生忘れちゃいけない。
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