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三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
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心の柵

昨日の話の中で開放感こそライブハウスの命だと言ったよね。
開放感の開放っていうのは、勿論、自由という意味だ。
もっと突き詰めて言うと制限を無くして自由にするという事だ。
他のライブハウスと言われている所へ行くと大抵ステージの前に柵が有るだろう?
実は、うちの店にもあったんだ。
開店してからほんの数ヶ月の間だけだけど。
あれは、所謂危険防止の為のものだという事は子供でも分かると思う。
もう、だいぶ昔の話になるが、すし詰め状態のライブハウスでファンが将棋倒しのようになって死亡者が出た事があったんだ。
それからというもの、ライブハウスのステージ前に柵を作るのは、半ば常識のようになってしまったんだ。
確かに事故防止には、多少は役に立つのかもしれない。
しかし、デメリットは、計り知れないものがあると思う。
それは何かと言えば、やはり開放感の妨げになるという事だ。
それが分かっていてなんで数ヶ月間とはいえ自分の店にも柵を付けたのかって当然思うよな?
答えは、簡単だ。
俺がライブハウスの経営って事に関しては、丸っきりのド素人だったからだよ。
いいバンドが沢山出ていればお客さんも来てくれるだろうと、まぁその程度だよ。
それを一刀両断してくれたのが昨日話した渡辺さんだ。
一瞬で理解したよ、俺はダサいって。
保守的で閉鎖的でロック魂の欠片も無い糞野郎だってね。
今、思い出しても恥ずかしくて逃げ出したくなる思いだよ。
しかし、俺が柵を外すと言い出すと当時のスタッフ全員から大反対の大反発を受けてしまった。
流石にこの時は困ったよ。
皆で力を合わせて最高のライブハウスにしようと言っておいて店長が全員の意見を無視してそういう事をするんですかと言われてしまったんだ。
それを多少強引になんとか納得させる為に費やしたのが数ヶ月というわけだ。
そんなの店長なんだから勝手に外しちゃえばいいじゃんって思う人もいるかもしれない。
だけど、俺を信頼して着いて行こうと決心してくれた人達を蔑ろにする事は出来なかったんだよ。
やっぱり、スタッフ達の気持ちになれば納得して毎日気持ちよく仕事したいって思うだろ?
今から想えば物凄く小さな事なんだけど、俺も含めて雁字搦めの中で生活してきた人間にとって開放感とか自由な空気っていうのは、そう簡単に作り出せるものじゃないんだって痛感したよ、あの時は。
自由っていうと物凄く簡単なものだと思うだろ?
実際は、そうである筈だよね?
だけど、社会生活を営むうちに人間は常識と引き換えにどんどん知ってか知らずか不自由になっていくものだと思うんだ。
そして、いつの間にか遠い存在になってしまうんだ。
それをそうじゃないって、自由を取り戻せる場所がライブハウスでもある筈なんだ。
簡単なようで難しい。
その難しいと思う気持ちさえもあの柵のように取っ払って素に戻れば実に簡単な事だと気が付くまでに何年かかった事だろう。
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