GWも終わってほっと一息。
という事で久々に映画を観た。
一番好きな監督パトリス・ルコントの「ぼくの大切なともだち」という作品だ。
或る中年紳士が、自分の誕生日に開かれたパーティーで君には友達も親友もいないと扱き下ろされる。
本当に一人の友達もいなかった彼は、取り乱し嘘の反論をする。
そして、10日以内に親友を連れて来られなければ100万ユーロの壷をよこせという賭けに乗ってしまう。
そこで友達作りに併走する彼の10日間を派手さは無いがきめ細かなタッチで描く大人の映画だ。
タランティーノやロドリゲスの大馬鹿映画も大好きだが、ちょっとした仕草や一言が心に沁み、ワンシーン毎に切り取れば全てが絵になるルコント作品に俺は常にやられている。
この映画は、どちらかと言うと俺みたいな中年男性向けだと思うが、最近の若い人達にも是非観てほしい。
友達とは、親友とは何だろうときっと自問する事と思う。
友達とは、何かの接点、切欠、目的等があって出来るものだ。
だが、必ずしもその関係が長く続くとは限らない。
それは、歳を取ればとる程実感するものだ。
あの時、あんなに仲が良かったのにお互いの環境の変化で連絡も途切れがちになってしまう。
そして、いつの間にか遠い存在、想い出のワンシーンとして心の中に仕舞ってしまう。
よく言う話だが、人は死ぬ間際に自分の人生の記憶が走馬灯のように駆け巡るそうだ。
だとすると人生は、1本の映画であり自分自身が主演とも例える事が出来る。
そうすると奥さんや恋人が主演女優だな。
俺みたいにバツが幾つも付いてる場合は、誰を主演女優にするか迷う所だが。
そして、共演者の中に友達がいて助演男優賞、助演女優賞の対象になるのが親友かもしれないね。
人は、必ず誰かに助けられて成長し前に進めるものだ。
そこに係わるのは、親や恋人、そして友達の存在も大きい。
お互いが利害関係抜きに人生の糧になりあえる他人が友達と言えると思う。
よく、あいつは友達が大勢いて羨ましいなんて言う人がいる。
だけど、そう言われる人に限って広く浅くという場合が多い。
夜中の3時に電話で悩みを聞いてくれる人が何人いるか訊いてみるといい。
自分の都合や利害関係抜きで如何に付き合えるか、付き合ってくれるかが肝心だ。
最近は、友達がいないという若者が多い。
確かに昔に比べて友達が出来づらい環境なのは分かる。
でも、それは自分が誰かが友達になってくれるのを待っているだけだからかもしれないよ。
一歩踏み込む少しの勇気があれば友達になれる人は、必ずいる筈だ。
助演男優賞、助演女優賞の該当者無しっていうのは、ちょっと寂しいだろ?
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