やはり、骨のある奴は居るもんだ。
ギター一本で言いたい放題腹の内をぶちまけるパンクな若者が登場した。
東の幕府を倒しに行くという意味とも言われている高杉晋作の別名を名乗る所がまた勇ましい。
意味も分からずただ世の中を批判するのがパンクと思っている勘違い君とは訳が違う。
その歌いっぷりに解き放った言葉の責任は全て俺が取るという肝の据わった部分がはっきりと見える。
彼が影響を受けたのは昔のフォークソングだという。
彼の口から出て来たそのフォークシンガー達の名前は俺が中学生の頃に衝撃を受けた人達と同じだった。
そうなんだ、その頃のフォークっていうのは実にパンクだったんだよ。
放送禁止になる曲が凄く多かった事でもその過激さが分かるというものだ。
そんな彼等のメッセージが30年の時を越えて今も彼のような若者達に届いているというのは素晴らしい事だと思う。
そして、もっと驚かされた事はその魂を受け継いだ若者が今、新たに俺の心を突き刺したという現実だ。
やはり、本気のメッセージに時代は関係ないという事なんだろう。
彼はこれから人並み外れた苦労をする事になると思う。
パンクな生き方はすればする程、過酷な人生が待ち受けているものだ。
彼が難無く生きられる程、この国は成熟しちゃいないから。
だが、そんな難関を一つづつ乗り越えて行く度に彼の曲は益々研ぎ澄まされていく事になるだろう。
こういう若者を発見してしまうとやっぱり俺は死ぬまで此処から離れられないような気がしてしまう。
そんな覚悟はとっくに出来ているけどね。
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