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三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
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闇の顔

うわぁ~~~!っと思わず叫んでしまった。
朝の8時位の話だ。
いつの間に眠ってしまったのだろうか。
俺は見慣れないベッドの中にいた。
横には30年位前に同棲していた当時の彼女らしき人が眠っている。
らしきと言ったのは何となく似ている様な気もするが別人にも思えたからだ。
ここは何処なんだろう?
何か落ち着かない気がして俺は目が覚めたのだと思う。
すると彼女の横を誰かが横切った様に見えたんだ。
えっと思って振り返ると明らかに人の姿がある。
一体誰なんだろう?
俺は徐にベッドから這い出しその人物を確認しようとしたのだがそこに居たのは顔の部分が真っ黒なもので覆われた奴だった。
真っ黒と言っても勿論肌が焼けていたりとか黒人だったりって訳ではない。
例えて言えば暗闇の中で暗くて相手の顔が見えないって事が有るだろう?その暗闇の部分が顔の部分だけを覆っている感じだ。
明らかに生身の人間ではないのは直感で直ぐに判断出来た。
やべえ、化け物が部屋に入って来やがった。
俺は彼女を起こさなければと思ったがそれより先にいつの間にか彼女の手はしっかりと俺の両腕を捕まえている。
混乱していたので腕を捕まれていた事にも気が付かなかったのだろうか。だが女にしては妙に力が有る。
俺は助け起こそうとしているのにこっちが身動き一つ出来ない。
早く此処から脱出しなければと思っていてもどうする事も出来なかった。すると俺の方に例の奴がするするっと近付いて来たんだ。
こいつは絶体絶命だ。
と思った瞬間奴は覆い被さる様に俺の首を絞めてきたんだ。
うわぁ~~~!と何度も俺は叫んだ。
昨日見た夢が余りにもショッキングだったんで日記に書いてみたんだが皆も少しは怖かったかな?
実はあの化け物に出会ったのは初めてではない事を思い出してしまった。俺が高円寺に住んでいる時の事だ。あの日はもの凄く暑い日でエアコンがあまり好きではない俺は窓を全開にして寝る事にしたんだ。
なかなか眠りに付けないでいると天井を何やら黒い塊が走り回りだしたんだ。
最初は目の錯覚かと思ったが明らかにこれが現実に起こっている事なんだと判断できるまでに少し時間が有った様に思う。
するとその黒い奴は下に降りてきて俺にのしかかって来たんだ。
天井に居た時は塊だったが間違いなく人の姿に変わっていた。
顔の部分は闇の中の様に真っ黒だ。
その時も大きな声で叫んだ記憶があるが昨日と違うのは俺は夢を見ていた訳じゃあなく完全に起きていたって部分だ。
声を出して直ぐに電気を付けてみるとそいつは消えていた。
その後、落ち着いて考えてみると納得出来る事があった。
その部屋の真向かいは墓地だったんだ。
そして俺は窓を全開にしていた。
窓から良からぬ奴が入って来たに違いない。
そして、実は昨日も窓は全開にして眠っていた。
君等も暑いからって窓を全開にして眠るのは気を付けた方が良いかもしれないぞ。
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