そういえば最近全然雑誌を買わなくなったというか立ち読みすらしなくなってしまった。
その分、ネットで十分事足りるという事なんだろう。
自分の事を棚に上げて言うのもなんだがこのまま行くと本を売る事で食っていた人達は本当にお先真っ暗って感じだろうなぁ。
電子書籍に移行出来る出版社はいいだろうけど本屋さんは大打撃を受けている事と思う。
俺は子供の頃から大のプロレスファンでプロレスの雑誌だけは何十年と欠かさず買っていたんだが数年前に休刊になってしまったので馴染みの本屋さんにも行く事がなくなってしまった。
小説なんかも実際本屋で探すよりネットの方が断然揃っているし中古もいくらでも有るから安く済むだろう?
それにネットの方が探しやすいっていう利点もあるんじゃもう完全に勝負ありだよな。
まぁ、これも時代の流れなんだろうが俺が本当に本屋でわくわくしたのはやっぱり子供の頃にエロ本を買いに行った時の事だ。
なんせ未だ小学生だったから流石にビビったけど勇気を出して買った時の感動と興奮は皆が日本VSカメルーン戦で盛り上がった程度のもんじゃないぞ、多分。
今じゃコンビニでも下の毛丸出しのグラビアが載ってる雑誌なんか平気で置いてるけどその当時は未だ相当厳しかったんだ。
毛が透けて見えるくらいで規制が入っていたからね。
それでも見たいものは見たいじゃないか。
それで輸入雑誌なんかを扱っている店を探して親の財布から拝借した金を握り締めて買いに行くわけだ。
そういうのって大抵ビニールの袋に入れられて売っていたから中身は確認出来ないんだ。
それを1時間位じっくり吟味して選ぶんだがこれがなかなか難しい。
一番のポイントは紙質だ。
当時の洋物はヤバい部分にマジックが直接塗ってあったんだ。
今みたいに印刷前にぼかしを入れるってわけじゃないんだよ。
マジックっていうのは何で落ちるか知ってるか?
実はラードなんだ。
紙質がコートならラードで簡単に落とせるんだ。
家族が寝静まった深夜にこっそり起き出して懐中電灯の灯りを頼りにどきどきしながらエロ本のあの部分をラードでせっせと擦ってるガキを想像してみろよ。
なんて健気で純粋なんだろうって思うだろう?
やがて夢にまで見たあそこが目の前に現れるんだぞ。
これ以上の興奮なんて長い人生の中でそうやすやすとお目に掛かれるもんじゃないぞ。
50年以上生きてきた俺の人生の中で未だにベスト5には確実に入る感動だ。
そんな夢と興奮と感動を与えてくれた本屋がどんどん潰れていくのを目の当たりにしなければならないのならそれは寂しい限りだ。
想い出の場所が消えていくようなものだ。
くだらない話に聞こえるかもしれないが俺にとっては最期まで諦めずに努力すれば夢は叶うという事を子供ながらに教えられた貴重な一瞬だった事は間違いない。
笑い事じゃないんだぞ、マジで。
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