あっという間に今年ももうすぐ半分が終わってしまう。
震災、津波、原発事故の事しか残らないような半年だった。
去年の暮れに何人かの占い師が、来年は変化の年だって言ってたけど本当にそうなっちゃったな。
いい方に変わるんなら良かったのにまさかこんな事になるとは。
占い師もそこまでは、占い切れなかったってわけか?
って、そんなの初めから信じてないけどね。
だけど、悪い事の後には、必ず良い事が起こるのが自然の流れというものだ。
残りの後半6ヶ月に良い事の倍返しがあるのを密かに期待しよう。
そういえば、先日、昔お世話になったKさんに偶々会って話をする機会があった。
Kさんというのは、実際の歳は知らないが、おそらくというより確実に俺より年上の中国人女性で、当時は、新宿でマッサージ店を経営していたんだ。
俺は、随分前にも話した事があるが、交通事故の後遺症を持っている。
その為に疲労が溜まると体中のあちこちに激痛が走る事になるんだ。
その治療の為に通っていた事があるのがKさんの店だったんだ。
中国マッサージというと嫌らしい方を想像した人も多いだろ?
残念ながら彼女の店は、全くの健全な店なので勘違いしないでくれ。
当時、治療を受けながら思ったのは、マッサージって指や掌から気持ちが伝わるものなんだという驚きだ。
Kさんの指や掌からは、いつも何とかこの人の悪い所を直してあげようという気持ちがひしひしと感じられたものだ。
新宿からは離れたが、Kさんは、今でもマッサージ店を経営しているという。
だが、地震と原発事故の影響はKさんの店にも大きく影響したそうだ。
働いていた中国人スタッフが、帰国したり他県に引っ越してしまったりで、全員居なくなってしまったというのだ。
それでもKさんは、店を閉める事は考えなかったという。
その理由が泣かせるんだ。
だって、あなたみたいな患者さんが大勢いるのにそれを放り出して逃げるわけにはいかないでしょって。
今では、新しいスタッフが何人か入って元に戻ったらしいが、その間は、営業時間を短くして一人で頑張ったらしい。
その時に思ったそうだ。
悪い事は、ずっと続くものじゃない。
必ずこの先良い事が必ず起こるって。
流石に苦労を重ねて来ただけあって肝が据わっている。
そして、安らぎさえ感じてしまう所が、歳は取っても相変わらず素敵な女性だ。
あなたの事は、ずっと覚えていたよ。
ん?
あなた優しい人だからね。
えっ?
マッサージすると分かるのよ、そういうの。
ちょっと照れ臭かったが、嬉しかった。
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