今から17年前に公開された岩井俊二監督の劇場用長編映画の第一作となるLoveLetterを久々に観た。
何で今更LoveLetterなのかと訊ねられても答えようが無い。
突然観たくなった、ただそれだけの理由以外に何も無い。
こういう時は、自分の感覚を信じて行動すると必ず良い事に巡り会う確率95%の俺は、迷わずネットで中古版を購入したのは、当然の成り行きだ。
内容は、漠然としか憶えていない。
はっきり記憶にある部分と言えば、雪がやたらに降っていた事と物凄くいい映画だったというくらいのものだ。
そして、鑑賞タイム。
恋人との死別という重い現実から逃れられない一人の女性と亡くなった彼の過去を知るもう一人の女性が、手紙のやりとりで現実と過去を結びつけるという思いっきりロマンチックなストーリーだ。
それが、激情的にではなく、むしろ淡々と流れていくように進行していく様が素晴らしい。
邦画が、ベタなものから一皮向ける切欠になったのは、もしかするとこの映画からかもしれないと思えたくらいにセンスがいい。
何年も前に観た映画を観帰す時というのは、必ず当時の自分はあの時どうだったっけと自らも振り返るものだ。
そして、その対象は、大方異性の場合が多いと思う。
あの時、付き合っていた彼女は、今、何処で何をしているのだろうか?
幸せに暮らしているのだろうか?と。
俺は、あの時、結婚していたが、彼女を幸せにすることが出来なかった。
お互い不器用な性格の持主であったこともあり、擦れ違いの連続だった。
傷付けあう為に出会ったわけじゃないのに。
ちょっとした出来事、ちょっとした一言、それが積み重なり手遅れな所までいってしまったんだと思う。
優しい旦那さんと出会えただろうか?
可愛い子供に恵まれただろうか?
体を壊したりしていないだろうか?
「お元気ですか?」
この映画もこの一言から始まるんだ。