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三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
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AM4:30 渋谷

昨日は、どうしても仕事で必用な物があるので朝の4時半に渋谷のドンキホーテに行く羽目になってしまった。
日曜明けの深夜というよりも朝方だというのに相も変わらず大勢の人が蠢いている。
獲物を狙う鷹の様にゆっくり走るタクシー。
座り込んだりおそらく徘徊しているだけだろうと思われる少女達。
大声で警官に食って掛かる酔っ払い。
数打ちゃ当たる的に声を掛けまくるナンパ小僧。
いったい何時までやってんだと商売根性丸出しのラーメン屋。
こんな街の必須アイテム、シティーバンクの24時間ATM。
国の家族の為ならと頑張るアジアンマッサージの客引き。
ぼんぼん面で粋がるクラブキッズの纏わり付く某一画。
尋常ではない光景が溢れかえっているのがこの時間の渋谷という街だ。
新宿とは明らかに違う顔が此処にはある。
新宿がアナログなら渋谷はデジタルだ。
新宿は暖かい空気を感じるが、此処には無いのはそのせいなのかも。
渋谷は新宿より年齢層がずっと若いがそんな渋谷をあまり好きじゃないという若者も意外と多い。
それは、疲れるという理由なのかもしれない。
同年齢層が多いからお洒落も頑張って疲れちゃう、とか。
それとも、軽薄な馬鹿馬鹿しさに付いて行くのが疲れるって事かな?

渋谷もそうだけど、どんな街でも時間によって色んな顔を持っているだろ?
そんな中で一番生々しい人間模様が見えるのって深夜だと思うんだ。
もう随分昔の話だけどマンウォッチングっていうのが流行った時期があったんだ。
街中で人が歩いているのをただ見て楽しむっていうものなんだけどね。
俺も影響されて試したんだけど、これがなかなか面白い。
好奇心を活発にするにはとても効果があるんだよ。
一瞬擦れ違っただけなのにこの子は道玄坂のマンションの一画にある怪しいヘルスに務めていて指名は多いんだがその分ストレスが溜まってイライラしているとか想像しちゃうんだ。
さっきから大声で怒鳴っている酔っ払いの中年男は、会社ではそれなりの扱いは受けるんだが、その薄っぺらい人間関係に嫌気が差して自分の人生を想い返すと惨めになるので虚勢を張っているんじゃないか、なんてね。
そうして何人も観察していると必ず微笑ましい気持ちになるんだ。
皆、それぞれ色んなものを抱えているんだなぁって。
それでもきっと前を向いて生きて行かなきゃなって思っているんだよ。
月並みだけど、人間って本当に面白い生き物だよね。
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