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三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
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自爆装置

この日記を始めてからもう大分経つが以前より物事を深く考える癖が付いた様な気がする。
これは決して悪い事では無いが全てにおいてというと語弊が有る様だ。
つい最近、俺は健康的に分裂ぎみだという様な事を書いたのは憶えているだろう?
あの時の俺は素直に有りのままを文章にしただけなのだが実は書きながら凄くやばい状況ではあったんだ。
あの日もいつもの様になるべく正直に自分の思いを書いているつもりだったのだが頭の中で分裂という言葉が渦巻きだしたんだ。
そして何か得体の知れない真っ黒な物が俺を覆いだした。
この経験は去年も一度だけ経験した事がある。
50歳にして始めてなった過呼吸の時だ。
あの時は息の仕方が分からなくなりもしかしてこのまま死ぬのかとも思った位だ。
その何とも言えない地獄の底から湧き出てくる様な不安感をまたしても体感してしまったんだ。
それも今度は不安定な呼吸からのパニックではなく明らかに脳から発せられたものなんだ。
もしかするとあの時俺は脳の中に隠されている触れてはいけない部分に手を掛けてしまったのかもしれない。
あれはおそらく自爆装置だ。
人間は誰もが脳の中に自爆装置を隠し持っているに違いないんだ。
ひどい鬱病になると自殺願望が出てくるという。
それも自分の意思に反してだ。
あの時俺は瞬間的に鬱に近い状態になったんじゃないかと思う。
自殺願望ではないが明らかに死を意識した。
このまま死んだら母親はどんなに悲しむだろうか。
ろくに日本語も出来ない俺の彼女は路頭に迷うんじゃないか。
スタッフの皆は俺が居なくてやっていけるんだろうか。
そんな事が瞬時に頭を渦巻いた。
こんな事を言って実際今、鬱病で苦しんでいる人にはなんか申し訳無いようにも思うが瞬間的鬱というのはおそらく間違っていないと思う。
俺は黒い塊の様な空気に強烈な閉塞感と押し潰される様な圧迫感を感じた。
それは呼吸の乱れに繋がり死という文字は猛烈に点滅している。
マジにやばい。
殆ど金縛り状態だ。
そして辛うじて動く体で窓を全開にして冷たい空気を吸った。
ここでまた日記に向かうと悪魔が蘇りそうなので30分位間を空けて書き上げたのだが危なかった。
日記を書く事がこんなに危険とは知らなかった。
脳は使えば使う程進化するって言うがやはり段階を経なければまずいようだ。
ヘブンスドアの店長の死因は日記の書き過ぎでしたなんてのはちょっと頂けない。
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