全然大した事のなかった台風も去って重苦しい空気も一緒に持って行ってくれたのならいいんだが現実はそんなに簡単なものじゃないらしい。
今の日本はどう考えても空気が重い。
っていうか常にスカッとした事なんて無いんじゃないかとも思えてくる。
それを痛切に感じたのは初めて海外に行って帰国した時の事だ。
もう30年も前の事だけど今でもはっきり憶えている。
そして、その後何回行っても帰国時には同じどよんとした嫌な気持ちになったものだ。
空気自体が湿気っているからなんていうのは東南アジアから帰った時にも感じたから関係ない。
おそらく原因は人の発するオーラだと思う。
身も心も疲れきったようなあの感じだよ。
帰国して暫くの間は俺はこんな空気には染まらないぜなんて思っているんだがいつの間にか一体化しちゃうんだよな。
余裕が無さ過ぎなんだよ、皆。
でも、今は確実に俺もその中の一人になっちゃってるんだろうな。
時間と暇は自分で作るもんだってよく言うけど理屈では分かっていてもこうがんじがらめに縛られているとなかなか難しいよ。
それに自分で意識して時間や暇を作るっていうのも何か不自然だと思うし。
う~ん、今日は随分ネガティブな話してんな、俺。
こういう時は何処かでスカッと気分転換しなきゃいけないな。
本当は自分自身の中からネガティブな空気を払拭するべきなんだがそれが難しい時もある。
となると、やはりその切欠を見つけるしかないという事になる。
酒、女、ギャンブル、薬物とか色々あるけど音楽とか映画とか本を読んだりなんていうのもこんな時には大いに役立つものだ。
俺はバツ3なんだが初めて離婚した時は本当に辛かった。
予想もしていなかったので心に空いた穴もでかかったし、その勢いで借金地獄に嵌っちゃってね。
未だ20代なのに数千万の借金になっちゃって押し潰されそうな毎日だったよ。
あの時は本当に必死でどうすりゃいいのか考えたんだが全く答えが見つからない。
見つからないなら仕方が無いって完全に開き直ったんだ。
死にゃあしないだろうから自分の好きな事しようってね。
それで女遊びもしたがそんな事よりも映画を観まくったんだ。
月に60~70本は観たんじゃないかな。
多分、これで俺はパワーを取り戻せたような気がするんだ。
そうするといいアイデアもどんどん出て来て何とかなっちゃうもんなんだ。
その時思ったのは、世の中なんて大した事ない、逃げたりなんかしなくても必ず乗り切れるものなんだって事だ。
誰もがそこに気が付けばどよんとした国じゃなくなると思うんだけどどうかな?
PR