ジャイアンツから大リーグパイレーツを経て野球界を引退した桑田真澄が早稲田大学院に合格したそうだ。
俺は桑田が巨人に入る7年前に江川の入団のさせ方が気に食わなくて巨人ファンを辞めている。
だからという訳じゃないが俺は桑田が大嫌いだった。
何処がってあの面は一体何なんだ。
蛙の化石か。
その上、常ににたにたしやがって薄気味悪いんだよ。なんて思っていたんだ。
巨人を辞めてパイレーツに入った時には、こいつどういうつもりで大リーグに行ったのかな?
もう、速球も投げられないし体だってガタがきてる筈なのに。
日本に帰って来てからの箔付けの為なのか?
だけど、所詮マイナー契約で大リーグで投げられる保障も無い訳だからそれにしちゃあリスクが大きいよな、なんて思っていたんだ。
だが、俺の予想は見事に裏切られた。
単なるパフォーマンスじゃあ無かったんだ、奴は本気だった。
途中、骨折をして今度こそ終わったろうと誰もが思った時期もあった。
でも、あいつは長いリハビリで心が折れる事も無く復活しやがった。
そして短期間ではあるが大リーグのマウンドに上がっている。
ここ迄根性を見せ付けられたらこっちも応援せざるを得ないじゃないか。
売名行為ならここ迄出来ない筈だ。
あいつは完全燃焼の場を長年の夢だった大リーグへの挑戦に賭けたんだ。
最後はこれでもかと言わんばかりに打たれまくって野球人生に終止符を打った。
これは敗北ではあるが誰もそんな事は思っちゃいない。
野球ファンは皆、あんたが人生のマウンドで勝利を勝ち取った所を拍手で迎えたんだ。
そして今度は奴がプロ入りする時に最後迄迷っていた早稲田に合格しやがった。
40歳にしてやり残した事にきっちり落とし前を付けたって訳だ。
ただのにやけた蛙の化石かと思っていた俺の目はどうやら曇っていたらしい。
奴は本物の男だった。
それも男のロマンに満ちた尊敬に値する人物だったようだ。
常に人生の目標を持ち、それに向かって邁進し、最後迄決して諦めないという男の人生の手本の様な生き方を実行しているじゃないか。
桑田さん、あなたは立派だ。
単なる蛙の化石じゃない。
最高に男前だよ。
遅れ馳せながら俺は今からあんたのファンになるよ。
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