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男には無い狂気

 今日は友人スカンクと松本じろ君が音楽を担当し、俺が大ファンの黒田育世さんが主催するコンテンポラリーダンス集団BATIKの公演を観てきた。
BATIKというのはメンバー全員が女性で構成された前衛ダンス集団なんだが興味の有る人は是非ネットで調べてみてほしい。
とにかく凄いんだ。
凄いとしか言いようが無い。
何が凄いって言葉で説明するのは出来なくも無いがそんな事よりとにかく一度見て欲しい。
あの舞台には人間の極限が見えるんだ。
何故そこまでしなきゃならないんだ。
芸術ってのはそこまで突き抜けたものなのか。
限界はとうに過ぎている筈なのに。
等と考えながら半ば呆れる位の集中力の凄さに叩きのめされた気分だ。
言葉は殆ど発しない。
というか必要ないんだ。
全身、頭の先から爪先迄全てを使い切れば言葉なんて意味の無いものだという事を教えてくれる。
言い方を変えれば言葉程いい加減で信用ならないものはないという事をこれでもかという位に見せ付けられた気がする。
ダンサー全員が女性という部分も非常に意味を持っている様に思われる。
女性というのは男には無い狂気を持っているものだ。
男というのはどうしても理性が優先されてしまうものだが女性は感情が先を行く場合が多分にある。
この部分を剥き出しにした時には男が何人集まっても太刀打ちできないリアルと狂気を生むんだ。
例えば音楽の世界でも女性ヴォーカルの方が生々しく聴こえるのはそんな利点を生かせるからだと思うんだ。
黒田さんのステージはこの何年か観させてもらっているが毎回ショックを受けてしまう。
もう、神々しいというか人間には見えない程圧倒されてしまう。
アートって一体何なのだろう。
もしかして神の領域に踏み込む事なんじゃないかなんて今日も考えさせられてしまった。
凡人の俺には遠くから眺めるしか術のない場所ではあるがあの領域に踏み込んでみたい。
死ぬ迄に一歩でも良いから踏み込みたい。
そんなエネルギーを貰った貴重な一日だった。
因みにBATIKの作品が5月に映画として公開される様なので是非観に行ってほしい
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