アラブ諸国から始まってアフリカまで飛び火した民衆による暴動だが、その切欠になったのは何だったかみんなは覚えているか?
えっ?何の話?とか言ってるようじゃグローバル社会で生き残れないぞ。
あれは、一人のチュニジアの青年が焼身自殺した所から始まったんだ。
彼は、路上での野菜売りだ。
しかし、この国では違反行為という事で再三警察から注意を受けていた。
それでも就職難のこの国で生きていく為には、野菜売りを続けるしかなかった。
そして、またもや警察の抗議を受ける事に。
この時に取り締まった女性警官の取った行動は、野菜と秤の没収。
と、ここまでは警官の仕事としては、致し方ないというか納得は出来る。
でも、その後に彼の顔を平手で殴り亡くなっている父親を侮辱する言葉を吐き捨てたらしいんだ。
それに対する反発、抗議の姿勢を焼身自殺という行動で示したわけだが、これは国に対する究極の意見陳情とも言い換えられる筈だ。
そして、この彼の死に至る行動は瞬く間に世界中に広がる事になった。
勿論ネット上のSNSが主な媒体だ。
毎日、ニュースで報道されているエジプトの混乱も火を点けたのは彼の死だと言っても過言ではないだろう。
焼身自殺というのは、良い悪いは別にしてインパクトはでかい。
だけど、今迄に何かを訴える手段としてそういう行動を取った人がいなかったわけではない。
でも、ここまでの拡がりは無かった筈だ。
いくらネットで世界中に知れ渡っても普通は、こうはならないと思うんだ。
自分の国に不満があるにしても国ごとに事情は異なると思うからね。
原因は、警官が彼の父親を侮辱した事が大きな割合を占めているような気がするんだがどうだろう?
それぞれの象徴が敵対心に火を点けたという事になるんじゃないかな?
警官は、国、政府の象徴であり、父親は、民衆の正義としての象徴という意味でだ。
この二つに限っては万国共通でもあるだろう?
国、政府は、自分達の為にあるべきなのに正義の象徴を汚した。
これだけはっきりと分かりやすければ敵対心が生れても不思議じゃないよな。
これを結果的に社会的ネットワークであるSNSが煽る形になってエネルギーが蓄積され暴発したというのが実情なんじゃないかって気がするんだ。
昔、戦争でお国の為と言って死んでいった日本人は、大勢いると聞く。
だけど、本心はそのお国って日本そのものや天皇じゃないと思うんだ。
やっぱり日本にいる家族の為というのが本当なんじゃないかな?
もしも、家族が外国に住んでいたらお国の為なんて言えなかったんじゃないかと思うんだ。
家族の絆って途方も無く強いって事だよ。
だけど、今の不況がもっと極限まで深刻化していったとして、その時に今回のチュニジア青年みたいな出来事が起こったとしたら日本人はどういう反応をするんだろう?
家族の絆が薄れつつあり、人と人との絆自体が失われつつあるこの国で暴動とまではいかなくても何か行動を起こそうとする人がどれだけいるのか知りたい気がする。
PR