これは良く聞く話なんだが中国人は人と接する時に常に利害関係を頭に置いているという。
だからあの国に住むのは非常に疲れるらしいんだ。
例え話として雨の日に傘を持っていない中国人に傘を差し出すとぎょっとした目で睨まれるという。
こいつ、親切なふりして何を企んでいるんだって思われるというんだ。
だから中国でそんな時に傘を差し出す人はまず居ないと聞いた。
日本人からするととても悲しい話ではある。
だけど長い事日本に住んでいるとこの国も随分世知辛いというか寂しい国になっちゃったなあと思うんだ。
俺は十代の時に個人宅への荷物の配達というのをバイトでやっていた時期があるんだ。
今で言う宅急便だ。
違うのはバイクや車じゃなくて自転車で配達するって所だ。
荷台にでっかい籠が付いていて荷物をてんこ盛りにして運ぶんだがこれが結構きつい。
荷物1個に対して幾らって報酬だから本当の超大盛りにしちゃうんだよ。
だから走っていて横転したり前輪が浮いちゃったりなんていうのもしょっちゅうなんだ。
そんなバイトをやっていて今でも想い出すのは届けた先のお客さん達の優しい心遣いだ。
あんた、ちょっとこれ飲んで行きなさいとか余りもんだけど持って行きなさいなんてジュースとかお菓子とかくれるんだよ皆。
今から35年位前の話だけど日本ってそういう国だったんだよ。
宅急便の配達が来て何か飲ませてあげたりお菓子あげたりなんてした事あるか?
受け取ったらもう用は無いからとっとと帰ってくれって思ってるんじゃないか?
確かに受け取ったら用は無いんだけどお疲れさんとか有難うとか言ってもいいと思うよ。
こういうのって言われた側だけじゃなくて言った方も悪い気しないもんだよ。
そんなちょっとした事で日頃の気分も大きく変わるものだと思うよ。
中国人が或る程度の期間日本に住むと国に帰りたくなくなるっていうけどそれはやっぱり未だ中国よりは日本の方が思いやりの空気を感じるからなんじゃないかと思うんだ。
どんどん確実に少なくなってはいるけど未だ残っているんだよ日本人の優しさは。
皆は今一人暮らしかな?
そうするとアパートやマンションとかに住んでいるんだよな?
だとすると隣の住人から話し掛けられた事が無いっていう人って結構いると思うんだ。
それは何でだと思う?
答えは簡単だ。
君の方から話し掛けないからだよ。
きっと相手も同じ様に思っているよ。
干渉ってのが入って来るとまた少し意味は違って来るけど思いやりの一言くらい掛け合える仲の方が気持ちいい毎日が送れると思うよ。
だって隣に住んでいるんだし。
ちょっとした挨拶からで十分だ。
人間は他人との触れ合いで成長するんだからコミュニケーションの機会を自分から少なくするのは損だよ。
こういう意味での利害関係なら大いに結構だと思うよ。
触れ合って与え合って生きて行くのが本当の意味での先進国だと俺は思うよ。
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