大麻問題で世を騒がせた相撲協会が今度は八百長疑惑で揺れている。皆もこの件に関しては既に知っていると思うが朝青龍が1勝80万円で勝たせてもらっていたというやつだ。そこに来て今度は大麻で捕まった若ノ鵬が琴欧洲と春日錦から金を受け取って勝ちを譲ったと週刊現代に暴露したもんだからマスコミの恰好の餌食にされている。朝青龍の件は既に裁判が始まっているが後者の方も間違い無く法廷で争われる事になるだろう。相撲協会と週刊現代の争いはどちらに軍配が上がるのかこれはもう殆ど結果が見えている様なもんだ。おそらく相撲協会の方が勝つだろう。何故なら週刊現代の方はあくまで元力士の証言による記事だからだ。例えば八百長を頼んでいる音声が入ったテープとか物的証拠が有るなら別だがそんな事は一切触れられていなかった。まさか80万円が銀行振り込みだったりして受け取った側の通帳に朝青龍の名前が入っていれば話は別だが。まあ要は証言の真偽のみの争いな訳だ。そして訴えた側が相撲協会の方だという事は、勿論裁判に成ったら勝つ確信が有ったから訴えた筈で下調べはしっかりした上での告訴だと思う。ただ俺の予想としては協会がたとえ勝訴したとしても八百長擬きは間違い無く有ると思う。何十万円も渡しての八百長と言っているのでは無い。あくまで擬き(もどき)だ。もしかしたら多少の金銭のやりとりも有ったのかも知れないがせいぜい飲み代の奢り位のもんじゃないかと思う。そういう事よりもっと心情的な部分での話なんだ。中には相撲の仕組みをあまり知らない人もいるかも知れないので一応説明しておく。相撲には本場所と言われるシリーズが年に6回行われる。そしてその一場所は15日間で争われる事になるのだがこの15日という所がミソである。相撲取りは番付けというランキング表でその位置が決められ勿論横綱がトップなのだがその下に大関、関脇、小結、前頭1枚目から順に2枚目、3枚目と続いて行き、この中で勝ち越せば上に行けるし負け越せば下に行く仕組みになっている。と言っても例外も有り横綱は一旦その位置に上り詰めると陥落する事は無い。しかし、負けが混む様になると半ば強制的に近い形で引退という道を辿らなければならない。もう一つ特殊なのが大関なのだがこのポジションにいる力士が最も八百長もどきに関わっていると思っているのは多分俺だけでは無いだろう。大関というのは関脇まで上り詰めた力士が連続して好成績を収めた時に審議に掛けられ認められた者だけが昇進出来るという非常に狭き門なんだ。そして負け越した時は角番といって一応大関の位置にはいられるがこの角番大関の時に負け越せば大関から陥落する事になるんだ。大関と関脇との差は天と地程有りギャラも当然違うが周りの扱いも全て大幅に違うんだ。例えて言えば課長と部長みたいなもんだな。だから一旦大関迄行った奴はどんな事をしても踏み止まろうとするし、周りの力士が陥落させる事に躊躇いを感じたとしても心情的に解らんでも無い。部長だった奴が課長に格下げされたのを見るのは忍びないと思ったとしても別におかしくは無いだろう?15日間で8敗したら負け越しに成る訳だが大関が7敗迄来てしまいその後の勝負で、え〜〜なんかちょっと不自然だな〜と思った事が俺的には100回は下らない。だが誰もその不自然な状況を口にしなかったのは相撲をスポーツとしてよりも文化として観ていたからだと思う。例え予定調和の部分を含んでいたとしても誰もが当たり前の物として受け入れて来たのだ。だがこの数年で海外からの血を大量に受け入れた事によって文化からスポーツよりなイメージで観られる傾向になった。過去に高見山、小錦、曙、武蔵丸等もいたが現在の非では無い。マスコミで何かと取り上げられる朝青龍が古い体質を守ろうとする横綱審議委員会から苦言を呈される事は多いが一般からは悪役的人気が有ったりするのは今の相撲界が文化とスポーツの正に間に位置する事を象徴している良い例だと思う。さて、裁判が終わった後の相撲界はどう変わるのか、何も変わらないのか。何も変わらないのであれば衰退の道を辿るだろう。いっその事、理事長が相撲はスポーツじゃありません、格闘美を追求したカルチャーですって宣言したら今の数倍お客さんは来ると思うが。
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