何をやっても上手くいかない奴っていうのは何処にでも居るものだ。
俺の周りにもそんな奴が居る。
友人と言うほどの仲ではないが仕事上での付き合いは結構長いので彼がどんな失敗を繰り返してきたのかはよく知っている。
そして、つい先日、彼に会う機会があったのだが相変わらずの駄目駄目具合だ。
一言で言ってしまえば夢に溺れてしまうタイプなんだ。
発想はいつもなかなか独創的で面白い。
だが、肝心な物がいつも抜けている事に気が付かない。
それは愛だ。
彼は自分の中で構想を練り、自分が操りやすい人間だけを使って事を進めようとする。
それを否定するわけじゃないがその操りやすい人間だけを選ぶ基準が自分の意思以外を受け付けないという部分から来ている所が弱点でもあるんだ。
誰でも前向きに仕事をしようと思ったら自分の意思や発想を反映させたいと思うものだ。
部下に対して愛情があればその気持ちを汲み取ってやる事が成長にも繋がる事が分かる筈なんだ。
だが使われる側の人間は支持には従うものの自己発想をしない。
何故ならそこに愛を感じないからだ。
自分を成長させてくれる上司と思えなければ頑張る気力も失せて当然だ。
世の中は何でも自分の思った通りに事が運ぶわけではない。
寧ろ思いもしなかった事が起こる可能性の方が高いんだ。
そんなアクシデントに出くわした時に指示された事以上の行動がとれなければ失敗を導く事になるのは明白だ。
なんでそこで適切な対処が出来ないのかと言えば指示する側に愛がなかったからなんだ。
だが、未だに彼はその事に気が付いていない。
出て来るのは部下への愚痴だけだ。
勿論俺も彼に助言したが暖簾に腕押し状態で一向に聞こうとしない。
こんな事を何十回も繰り返している彼を見ていて最近気が付いた事がある。
人相が異様に悪くなったんだ。
一言で言えば貧相極まりないといった感じだ。
心の貧しさが諸に見える。
こうなってしまうとマイナスのエネルギーを出しまくる状態になるので同じ空気を持った人間しか近付かなくなってしまうものなんだ。
少し可哀想な気もするが俺にはもう何も出来ない。
自分に対する愛しか持っていない人間は助けを攻撃と見做すので彼にとって俺は敵にしか見えなくなってしまっているからだ。
人に対する愛っていうのは言い方を変えれば思いやりだ。
思いやりを持たない人間は心が貧しい。
心が貧しければ思いやりも貰う事が出来ない。
そして、いつのまにか誰も信用出来なくなり信用もされなくなる。
やがて心に壁を作り人間ではない表情になっていく。
君等が一番愛しているのは誰だ?
両親?
恋人?
嘘つくんじゃねぇよ。
心の奥底はそうじゃないだろ?
本当は自分だろ?
それでいいんだよ。
全然間違ってないよ。
だけど独り占めは良くないぞ。
そんな事してると愛が何だかも分からなくなっちゃうからな。
人を愛すれば愛するほど君等にも愛は返って来るんだ。
打算は駄目だけど世の中っていうのはそういうふうに出来ているんだ。
そんな事誰が決めたんだって?
それはこの日記をずっと読んでくれてる君なら分かるだろ?
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