中東からアフリカに飛び火した国民による民主化の大規模デモの影響が、とうとうアジアにまで及んできたようだ。
俺の予想では、先ず格差の非常に大きい中国が真っ先に影響を受けると思っていたんだが、予想に反しそれは北朝鮮だった。
今は、未だ大規模と言えるものではない。
だが、数百人規模とはいえあの国で将軍様にたて突く奴がいたとは驚いた。
それも民間人だからね。
それだけ生活に困窮している人達が、大勢居るという証だろう。
報道によると一部を除いた殆どの国民の生活は、もうぎりぎりの所まで来ているらしい。
食料だけじゃなくて電気が止まっている所もかなりあるようだ。
そういう状況下に及んで、いくら将軍様を慕っても自分達を救ってくれないという事にようやく気付き始めたのかもしれない。
中東、アフリカの暴動の火付け役はインターネットだが、北朝鮮では携帯を持つ事は許されてもネットはごく一部の人間しか利用出来ない事になっている。
それでも反乱が起こり始めているという事は、もうそうするしか手立ての無い人が大勢居る事の証明でもある。
これが、チュニジアやエジプト、そして今のリビアのような状況になったとしたら。
これは、相当ヤバい事が起こると覚悟しておいた方がいいかもしれない。
独裁者が統治していた国で、その力が及ばなくなったら必ず大混乱が起こるからね。
そうなった場合、真っ先に行動を起こすのは、中国だ。
北朝鮮は、中国の支援で辛うじて成り立っているようなもんだから沈静化を理由に軍を大量に送り込むと予想出来る。
元々、中国と北朝鮮は、朝鮮戦争を共に戦った盟友でもあるわけだし。
そうなった場合に黙って見ているわけにはいかないのが世界の警察アメリカだ。
中国が損得無しに動く国とは思っていないだろうから。
しかし、ここでもしアメリカも軍を送り込むなんて事になったらその同盟国の韓国、日本は、手を貸さないわけにはいかなくなる。
今時、新たな世界大戦が起こるなんて事は、可能性としては非常に低いがアメリカと中国がやり合うっていうのは非常にまずい。
万が一両国が戦争なんて事になったら世界中を破滅に導く事になってしまう。
お互い、そこまで馬鹿じゃないとは思うけど強硬派はどんな国にも必ず居るもんだ。
可能性はゼロでは無い。
因みに中国と北朝鮮の間には、どちらかの国が攻撃された場合、もう一方が軍事援助を行うという条約がある。
と、いう事は、もし先に行くのがアメリカだった場合、それを侵攻と解釈したら中国はアメリカを攻撃するという事になってしまう。
っていう事ぐらいは、俺達日本人も認識しておくべきだと思う。
過去の歴史を紐解けば、中国というのは侵略の天才でもある。
しかし、今の北朝鮮にそれだけの価値があるのかと言えばおそらく無い。
そこが、唯一の救いだが、ちょっとした事で俺様が一番っていう姿勢を頻繁に見せるようになった中国は、やはり脅威には違いない筈だ。
何だか難しい話だからどうでもいいやって言うのは、もう通用しないぞ。
世界中には色んな人がいて色んな国があって、今も色んな事が起こっているんだ。
君もそんな中の一員だって事は、忘れるな。
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