秋から冬にかけて益々人恋しい季節ではある。
恋人や奥さんと一緒なら気にも留めない枯葉舞う帰路が妙に心に沁みるものだ。
俺は今迄同棲や結婚を繰り返し今は久々の一人暮らしに戻っている。
若い時はそんな一人暮らしが嫌で仕方が無く常に誰かの温もりを欲していたのかもしれない。
そして愛していたかも分からない女性と暮らした時期もあった。
おそらく相手も同じ気持ちだったんじゃないかと今想えばそんな気もする。
やっぱり若い時っていうのは弱いよな。
一人じゃどこか不安で寂しいんだよな。
12月とかになるとクリスマスの装飾とかが街を賑わすがあんな中を孤独に歩いたりすると周りは皆幸せそうに見えるのに何で俺は一人なんだって思ったりしたもんな。
だが、流石にこの歳になるとそんなセンチメンタルな気持ちは消え失せていて、ああ、一人って自由でいいなぁと思えるから不思議だ。
まぁそれも彼女と言える人がいるからなのかもしれないが。
しかし、その彼女とも最近は暫く会っていないんだ。
仕事が猛烈に忙しかった事に加えて日本語の学校にも通いだしたので全く時間が合わなくなってしまったからなんだ。
本人がしたくてそうしている事でもあるので俺は口出しをしない事にしている。
その間に一人の時間を満喫しているという状況なんだがこれはこれでなかなか心地が良いものでもある。
今これを読んでくれている君は一人暮らしか?
それとも恋人や奥さんと一緒かな?
もしかすると親と同居かもしれないな。
もし親と同居していて許される状況ならなるべく早く一人暮らしを経験した方が良いと思うよ。
一人で暮らすってのは孤独な上に何から何まで自分でやって尚且つそのやった事の責任まで取らなきゃいけないんだ。
これは親と同居であるなら親が寝たきりで自分が面倒見ているっていう場合は話は別だけどそれ以外なら絶対出来ない。
そんな事ないよって言うんなら一人で暮らしてみれば分かる事だ。
初めての一人暮らしは寂しいぞ。
だけどその寂しさを知った事で君は過去の自分より優しくなれるし思いやりという言葉の意味も深く理解出来る様になるんだ。
君が心細い思いをしている時に必ず誰かが優しい言葉を掛けてくれる。
その一言がどれだけ有り難いか身を持って知れば今度は自分が優しさを人に与える立場になれるんだよ。
人間は決して一人では生きていけないんだ。
それを否定するのは身の程知らずというものだ。
そして人との係わりの中で最も大切なのが思いやりだ。
そんな思いやりというものを必ず教えてくれるのが一人暮らしでもあるんだ。
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