俺は、高校野球が大嫌いだ。野球が嫌いな訳じゃない。高校野球のみが嫌いなのだ。あの高校生はこう有るべき的抑圧された空気が大嫌いなのだ。選手達はそんな事はどうでも良いと思っているのだろうか。
俺が中学3年の時だから今から30年以上前の話だ。当時は、何処もそうだったのだが俺達の学校も相当厳しい校則に縛られていた。特に服装や髪型に関しては、異常な程だった。そんな学校サイドに対立していた生徒が20人ばかりいたのだが勿論、俺もその中の一人だ。俺達は、校則を破りまくっていた。教師に詰め寄られた時も真っ向、意見をぶつけていた。しかし、卒業の時期が近づいた頃、生徒の親が個々に呼び出され、皆、屈伏していった。最後に残ったのは、俺一人だった。どうしても納得出来なかった俺は、校長室に殴り込んだ。こうなったら校長とサシで勝負するしか無いと思ったんだ。勝負と言っても暴力じゃなく言葉でだ。負けたら学校を辞めるしか無いと思っていた。そして勝った。いや、勝ったと言うんじゃなく認めてもらう事が出来た。この時、初めて器の大きな大人に出会えた気がして嬉しかった記憶を今でもはっきり覚えている。
高校球児達が学校や高野連からの規制に対して納得しているなら良いが、俺には、絶対そうとは思えない。だから高校野球は大嫌いだ。
PR