忌野清志郎、三沢光晴が死んでしまったとショックを受けていたら今度はマイケルジャクソンが亡くなってしまった。
俺は特別マイケルのファンという訳ではなかったが彼が未だジャクソン5としてデビューした子供の頃からスリラー辺り迄の数枚のレコードは持っている。
俺の世代の人達がビートルズやストーンズのレコードならファンでなくても持っていたりするのと同じ感覚かもしれない。
要するに当時の洋楽の必須アイテムの一つって事だ。
キングオブロックンロールと言われたエルビスプレスリー、自由と平等のシンボル的存在だったジョンレノン、そしてキングオブポップと誰もが認めたマイケルジャクソン。
音楽界で本当に時代を塗り替えた寵児、スーパースターの中であと残っているのはローリングストーンズ位のもんだ。
ピストルズやクラッシュ、ラモーンズ。
レッドツェッペリンにピンクフロイド。
ボブディラン、ボブマーリー、カートコバーン、マドンナなんかを超大物と言うんなら更に超を10個位付け足した存在がエルビスでありジョンでありストーンズだと思う。
そしてポップスという事で軽く見られがちだがマイケルも殆どこの位置だったと思う。
80になる俺の母親にピストルズやボブマーリーは通用しないがマイケルなら知ってるからな。
ところでマイケルの死を聞いて俺が真っ先に思ったのはエルビスの死に似てるなってところだ。
エルビスの死因は違法ドラッグではなく処方ドラッグだ。
彼はストレスが原因で過食症になった。
そして極度の睡眠障害に陥り処方ドラッグに頼らざるをえなくなってしまった。
それがエスカレートして悲劇を生む結果になったとされている。
マイケルの場合は皮膚の色素が薄れていく持病も持っていたらしいがそれ以外に整形手術による感染症にも罹っていたようだし殆ど拒食症に近い状態だったとも聞く。
両者の共通する病の元凶はやはりストレスだ。
これはスーパースターで在るが故のものだと思う。
スーパースターは常にスーパースターで居続けなければならないという強迫観念に追われていたんだと思う。
それが例え自分の目指したものだったとしても人間にはキャパシティーというものがある。
このキャパシティーを越えてしまうと心と体のバランスが崩れてしまうという現象が襲ってくる。
彼等はそれを薬によって撃退しようとした。
ところが薬というのは効能が強力であればある程、副作用も強烈だ。
この強烈な副作用に彼等は心臓を止められてしまったんだと思う。
言わばスーパースターの宿命なのかもしれない。
昔、キャンディーズが普通の女の子に戻りますという名台詞を残してスターの座を捨てた。
それとはあまりにスケールの大きさが違いすぎるが美空ひばりは両足壊死という普通なら歩く事も出来ない状態でステージに上がり全身病に冒されても歌い続け壮絶な死を遂げた。
どちらがスーパースターと言われ続けているかは明白だ。
その後美空ひばりを超える日本のスーパースターは出て来ていない。
やはりスーパースターの最期は悲劇的なものなのだろうか。
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