或る未だ若いバンドのヴォーカリストがこんな腐った世の中がどうのこうのとステージで叫んでいた。
こういうのってライブハウスではそれ程珍しい光景ではない。
と言っても最近はあまり見ないけどね。
それなりに人生のキャリアも積んでバンドのキャリアも積んだ人達が言っているのとはわけが違う。
先ず、具体的に何に対して怒っているのか分からない。
っていうか薄っぺらいのが丸見えだ。
だから説得力も無いし聞いているこっちがだから何?って思えてしまう。
こういうのをロックだパンクだなんて思っているなら大間違いだ。
否定するんならそれなりの意見を持っていなきゃ誰の心にも届かない筈だ。
世の中腐ってるって叫んだ後で難しい事は分かんないけどよ~!なんてのは話にならんぜ。
これじゃあ、子供が駄々こねてんのと何も変わらないよ。
人様の前で何かを否定するって事は別に悪い事じゃあない。
だけど、否定するんなら芯を持って否定しなきゃ酔っ払いの戯言と同じだろ?
政治家は腐ってるとか企業は裏で汚い事やってるとか大人は嘘つきだとかって言うのは自由だけどそれを誰かに伝えようってんならもうちょっと世の中を知っとかなきゃな。
イメージだけで否定する事程ガキっぽいものはないぞ。
そういうのって世の中に喧嘩売ってるって事にもなるだろう?
だったらしっかり腹も括っておく勇気と信念も必要だっていうのも分かってんだろうな?
中身の無い否定なんて何の力も無いからな。
何でもそうだけど中途半端は見っとも無いだけだぞ。
ロックやパンクってもっとギリギリなものだと思うんだ。
何がギリギリかって?
そりゃあ生きて行く上での理不尽に対する怒りだよ。
何の苦労もせず何でも手に入れておいて世の中腐ってるって気安く言ってんじゃねえよ。
自分一人で真正面から世の中に向き合って信じるものを貫いてみろよ。
納得出来ない場面が幾らでも有る筈だ。
そんな時でも妥協せずに筋を通すってんならそれ自体がロックだしパンクでもあるんじゃないか?
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