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別れの季節

秋は別れの季節とも言う。誰もが開放的になる夏に出会い、秋になって冷静に考えてみたら私には貴方は合わないわなんて捨てられた諸君も多い事とは思う。まあ、それはそれで仕方無いな。やる事やったんならまあ良しとしておけ。 という事で今日は、秋に因んで色々な別れについて話してみよう。 恋に破れて辛い思いをした事の有る人は多いと思うが実はこの経験は君等にとってとても大切な事だ。 別れた当初は胸を引き裂かれる様な苦しみが有るが、これは時間が経てば必ず薄まって消えて行くものだ。今、君が別れの傷心の最中だとしても必ず消えて行くから心配すんな。何故ならこれが誰しもが持って生まれた忘却能力だからだ。そして別れの後には、与える愛の尊さ、与えられる愛の幸福感、傷付けてしまった苦しみ、傷付けられてしまった胸の痛み等数えきれない程の体験から得たものが有る筈だ。そして君等は恋をする度に少しずつ魅力的な存在に成長して行く訳だ。 別れには、生き別れと死に別れが有るが恋人同士だけでは無く、親子、兄弟等も含めて愛する人と死に別れるというのはその辛さから言えば生き別れの非では無い。その死に方の状況にもよるが大抵は悲しみの極致を体験する事になる。その極致の中でも最極致に位置するのが子が親より先に死ぬ逆縁というものだ。 最近は自殺者の数が史上最高になっている。先進国の中では断トツの1位だ。だが君達はどんなに辛い事が有っても絶対に自殺だけは避けろ。自殺をして最も苦しむのは本人じゃなくて親だということをしっかり自覚しておけ。君等が親の立場になった時、もし手塩に掛けて育てた子供が自殺してしまったらどんなに辛く悲しいか。気が狂ってもおかしく無い筈だ。自殺というのは人間として最低の行為であり親を殺すのと同じ位非人間的な行為だという事を心に刻み込んでおけ。 それでは、別れの中でも最も美しい別れとはどんなものか。それは、無償の愛の為に別れるという行為だと思う。相手の幸せだけを想い自らの気持ちを押し殺して別れに至る時の事だ。ドラマなんかでこんなシーンを度々見かけるが実際にはそう簡単に出来るもんじゃ無い。でも若いうちに1度はこんな別れも経験しておいた方が人としての器も大きくなると思うよ。 出会いが有れば別れは必ず訪れる。別れの無い出会いは皆無だ。人はその苦しみから逃れる事は出来ない。でも別れを繰り返す度に人は磨かれて行くんだ。
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